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猫にワクチン接種は必要?ワクチンの種類・防げる病気・費用・副作用について

猫にワクチン接種は必要?ワクチンの種類・防げる病気・費用・副作用について

猫のワクチンって?

猫のワクチンも作用する仕組みは人間と一緒です。

無毒化・弱毒化した病原体を接種して感染症への免疫力を高め病気にかかりにくくしたり、病気の発症を抑えたりします。

通常、生後2~3ヶ月で1回目を摂取し、1ヶ月後に2回目の接種を行います。

成猫になっても1〜3年毎の接種が推奨され、1回の接種で生涯の免疫を獲得できるわけではありません。

ワクチンの種類

猫のワクチンにはすべての猫への接種が推奨されているコアワクチンと、感染リスクに応じて接種するノンコアワクチンがあります。

2021年現在では、以下の7つの感染症に対するワクチンがあります。

  1. 猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
  2. 猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
  3. 猫カリシウイルス感染症
  4. 猫クラミジア感染症
  5. 猫白血病ウィルス(FeLV)感染症
  6. 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズウイルス)
  7. 狂犬病

コアワクチンとは

コアワクチンとは3種混合ワクチンのことを指し、感染力と致死率が高い3つの病気を予防します。

  1. 猫ウイルス性鼻気管炎
  2. 猫汎白血球減少症
  3. 猫カリシウイルス感染症

3種混合ワクチンは、この3つの感染症を予防することができます。

ノンコアワクチンとは

3種混合ワクチンに「猫クラミジア感染症」を追加した「4種混合ワクチン」と、それに更に「猫白血病ウイルス感染症」を追加した「5種混合ワクチン」等があります。

猫の年齢や環境などによって接種するワクチンは違ってきますので、かかりつけの動物病院に相談するとよいでしょう。

室内飼育なら3種混合

室内飼いの猫の場合、一見すると外界との接点がなさそうですが、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症の3種は感染力が強く、空気感染や野良猫に触れた飼い主に付着したウイルスで感染する恐れがあるため、ワクチンの摂取が推奨されています。

屋外に出ていく猫には4種混合か5種混合

屋外も活動範囲の猫には、3種混合ワクチンに猫白血病ウイルス感染症を加えた「4種混合ワクチン」、さらに猫クラミジア感染症を加えた「5種混合ワクチン」の接種を検討しましょう。

例えば多頭飼いしている猫の中に猫白血病ウイルスに罹患した猫がいる場合、他の飼い猫全て同ウイルスのワクチンを摂取する必要があります。
このような場合は飼育状況をかかりつけの動物病院に相談し適切なワクチン接種を行ってください。

猫免疫不全ウイルス感染症は単独接種が必要

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)のワクチンは、混合ワクチンとは別に単独で接種する必要があります。

猫にも狂犬病ワクチンがある

「狂犬病」は犬だけが罹患する感染症ではなく、すべてのほ乳類が感染します。人間はもちろん、猫にも感染する病気です。

猫は狂犬病ワクチンの接種を義務付けられてはいませんが、猫を海外へ連れて行く場合などはワクチン接種を検討しましょう。

ワクチン接種にかかる費用は?

ワクチン接種の費用は、病院によって異なりますのでかかりつけの動物病院に確認してください。

また、ワクチン接種は病気の治療ではないため、ペット保険の対象外となる場合がほとんどです。

各種ワクチン接種の費用は概ね以下のとおりです。

3種混合ワクチン

猫ウィルス性鼻気管炎)
猫汎白血球減少症
猫カリシウイルス感染症

約3,000~7,000円/1回

4種混合ワクチン

3種混合+ 猫クラミジア感染症

約4,000~8,000円/1回

 

5種混合ワクチン

4種混合+猫白血病ウィルス感染症

約5,000~10,000円/1回

 

7種混合ワクチン

5種混合+複数型の猫カリシウイルス
※複数ある型の2~3種類を追加して接種します

約7,000~12,000円/1回

猫白血病ウイルス感染症

約3,000~6,000円/1

猫免疫不全ウイルス感染症

約3,000~6,000円/1回

狂犬病

約3,000~6,000円/1回

 

ワクチン接種証明が必要な場合

状況によってワクチン接種を済ませていることを証明しなければならない場合もあります。

ペットホテルに預ける場合

ペットホテルを利用する際に、ワクチン接種証明書の提示が必要になることがあります。

ワクチン接種証明は無くさないように保管しておきましょう。

ペット保険に加入する場合

ワクチン接種によって予防が可能な病気の場合は未摂取で罹患した場合、保証の対象外になる場合があります。加入したい保険がある場合は事前に約款を確認してください。

ワクチンの副作用について

猫によってはワクチン接種後に体調が悪くなる副反応がおこったり、アナフィラキシーショックを起こすこともあります。

午前中にワクチン接種を受けておけば、もし診察・治療が必要になった場合でも午後の診察で診てもらうことができます。

ワクチン接種後の副反応

副反応は、接種から数十分~数時間後に見られることが多く、以下ような症状があります。

  • 皮膚の痒み、じんましん
  • 顔面の腫れる
  • 嘔吐や下痢
  • 発熱や元気消失
  • 呼吸困難や虚脱
  • 注射部位にしこりがでる

接種後に様子がおかしいと感じたら、躊躇せず動物病院に電話するようにしてください。

アナフィラキシーショック

稀にアナフィラキシーショックという即時型アレルギー反応がでることがあります。

体内に抗原物質が取りこまれてから数分~数十分以内に、じんましん、呼吸困難、チアノーゼ、嘔吐、血圧低下など、重篤な状態に陥ることもあります。

対処が遅れると命にかかわる場合があるため、異変を感じたら躊躇せずにすぐ動物病院へ連れて行きましょう。

まとめ

ワクチン接種にはそれなりの費用が必要ですが、猫がかかりやすい病気の感染を高い確率で防いでくれます。

ワクチンを接種するかしないかは飼い主の判断に委ねられますが、最低限「3種混合ワクチン」は接種しておくことをおすすめします。

大切な愛猫を守るためにも適切なタイミングでワクチン接種をしておきましょう。